第6回(最終回) 初フルマラソンの準備と走り方
さあ、いよいよレースに向けた最終準備です。
① 前日までの準備
必要なものをそろえます。とくにゼッケン引換証は忘れないように気をつけましょう。
レースウエアは天気予報を参考に、2、3パターン(暑い時用、寒い時用、雨の時用など)を選べるように準備しておきましょう。またレース時間が4時間半~5時間となると後半は寒くなってきます。機能性シャツ(綿のシャツは汗を発散しにくく、冷えてしまうので避けたほうがいいですね)のほか、(ロング)タイツ、手袋やアームウォーマーなども準備しておくことをお勧めします。
前日は早めに就寝します。気持ちがたかぶって眠れなくても、横になっているだけでも身体は休まります。明日の自分の快走をイメージしながらリラックスしましょう。
② 当日スタートまで
当日は余裕を持って行動しましょう。会場への最寄り駅は大変混雑するので、交通機関、駅から会場までのアクセス、送迎バスの有無などを確認し、早目の行動を心掛けてください。
朝食には腹持ちが良くエネルギーになりやすい食事を摂り、スタート時間30分くらい前までならバナナやゼリーなどの補給もOKです。事前に水分も摂っておきましょう。
会場に着いたらゼッケンを受け取ります。ウォーミングアップは軽めでOK。身体を冷やさないようにストレッチをしておくだけでも大丈夫です。アップがてら会場内を軽くジョッグして(または歩いて)、スタート地点やトイレなどを確認しておくものいいでしょう。スタート地点で待ち時間が長くなる場合には、ビニールなどをかぶって防寒対策をしておきます。
③ レースの進め方
参加者の多い大会では、スタート地点に到達するまで時間がかかります。あせるあまりオーバーペースになりがちですが、「5kmくらいまではウォーミングアップ」という気持ちでゆっくり行きましょう。前半は目標のペース(ゴールタイム5時間なら7分/km)を確認しながら、ペースが上がり過ぎないように気をつけます。理想は会話ができるくらいのペース。30kmまではレースの前半という意識で走りましょう。
レース中の給水はこまめにしっかりと摂ります。給水テーブル付近は混雑しますので他のランナーと接触しないよう、また転倒などに巻き込まれないように注意が必要です。長時間のレースでスタミナ切れが心配なら、レース中に摂取できるようなゼリー、栄養タブレットなどをウエストポーチに入れておきましょう。
30kmからは、どんなランナーでも疲れてきます。しかしここからが本番。前半、ためておいた力が生きてくるはずです。ペースアドバイザーがいれば利用し、次の5km(あるいは1km)を目標にゆっくりでも歩かず、「笑顔でゴール!」を目指しましょう。
④ 次のレースに向けて
レース後はストレッチで身体をほぐし、ゆっくり休んで疲れた筋肉や内臓を回復させましょう。完全休養するよりも、ウォーキングをするほうが疲労は抜けやすくなります。
次のレースを目指すなら、そのレースに向けて3カ月程度の計画を立てます。走る回数、時間、距離を増やすことで、ある程度のレベルまでタイムを短縮できますから、徐々にレベルアップしながら目標を立ててください。
これまでのアドバイスを参考に、体調を万全に保ち、ベストの状態でレース本番を迎えてください。どんな結果でも、それは次につながる充実したレースになるはずです。皆さんが完走(歓走)できるよう、応援しています。
第5回(10月)初フル直前の調整方法
走りやすい季節になりました。週1回ペースの距離走や時間走で、フルマラソン完走のイメージはできつつありますか? 秋のフルマラソン(多くは11月中旬から12月上旬)で初完走を目指すには、この1カ月が大切な調整期間になります。基本的には、普段どおりに週末練習を継続しながら体調管理に力点をおくことです。
①レースペースを身につけよう
フルマラソンを5時間で完走するためのペースは7分/kmです。フルのレース前には、このペースで少なくともハーフの距離を経験しておきたいものです。レースペース走は、どのレベルのランナーでも効果的な練習方法です。特にハーフマラソンのレースで、そのときの余裕度を確認してみましょう。余裕を残してゴールできれば問題ありませんが、たとえ余裕が無くてもあせる必要はありません。まずはペースを少し下げて、15~20km程度を走り続けられるように調整しましょう。例えば7分/kmで20km、6分30秒/kmで10km、余裕を持って走りきることが目標になります。ちなみに、初心者ランナーのフル完走の目安は、10kmの5倍、ハーフマラソンの2.5倍程度といわれています。また、実際にレースで着用するウエアやシューズは必ず試しておきます。補助食品(アミノ酸やゼリー食品、栄養剤等)を携帯して走る人は、実際に走りながら食べてみるのもいいでしょう。
②疲労を抜きながら体調を整えよう
この1カ月はレースに向けた調整期間です。走力はもうそれほど伸びないので、現在の力でレースを走りきれるように体調を整えましょう。これは、走力を維持しながら疲労を抜いて調整するピーキングといわれる方法です。不安から、いきなり30km走など決して行わないでください。
故障につながりプラスにはなりません。
まず1カ月前からは、徐々にペース走の距離をおとします。レースの<3週間前に20km走><2週間前に15km><1週間前に10km>といったメニューがポイントになります。本来はポイントの間(つなぎ)は軽めのジョギング(30分から1時間程度)で維持するのですが、練習時間が取れないなら、せめて積極的に歩く(動く)ことと、太らないことに注意しましょう。
この時期、特別な練習は必要ありませんが、練習後のアイシング、入浴後のセルフマッサージやストレッチングは続けてください。何より、故障せず体調を崩さないことが、初フル完走には大切です。
第4回(9月)マラソンに向けてのトレーニング(週末ロング走のススメ)
今夏は、猛暑とゲリラ豪雨の影響で週末も思うように走れなかった人が多かったのではないでしょうか。やっと走りやすい気候になってきましたので、そろそろマラソンに向けた脚づくりといきましょう。マラソンの脚は走ることでつくられます。長めの距離を意識して、マラソンのための基礎を作りましょう。今回の目標はペースを意識した週末ロング走です。
①ペースを確認しよう(レースを利用したトレーニング)
フルマラソンを5時間で走るとすると、ペースは7分/kmです。まずは距離のわかるコースやトラックで10km程度を走ってみましょう。一般に10kmのタイムの約5倍がフルマラソンの予想タイムになります。10km程度の短い距離のレースを経験するのもいいですね。練習結果を記録すると、自分のパフォーマンス向上が把握できて励みになります。
②走り込みで脚づくり
走り込みは「ゆっくり長く」が基本です。まずは週末(土日どちらか)の20km(もしくは2時間)走を目標にしましょう。もちろん、何がなんでもいきなり20kmというわけではなく、時間や距離を徐々にのばしていけばいいのです。スピードは必要ありません。歩きをいれてもOKです。例えば<歩き1時間+ゆっくりジョッグ><ジョッグ+歩きの繰り返し><ゆっくりジョッグ><ペースを意識したジョッグ>など、走っているペースと身体の余裕度を意識しながら、メニューを選びましょう。ただしまだ暑い日もありますので、走る時間帯には気をつけてください。
長時間、長距離を走ることは脚力の養成のためだけではありません。「つらいな、やめたいな」という自分との戦いなので、精神力の鍛錬にもなります。練習では、フルマラソンで4~5時間動き続けることをイメージするのが大切。このトレーニングは必ず本番に生きてきます。
③体幹を鍛える補助トレーニング
レース後半、疲れてきても姿勢を維持し、腕を振れるように、補強運動として腹筋、背筋、腕振りトレーニングを取り入れましょう。TVを見ながらでもOKです。1日おきに週3回程度は取り入れたいものです。腕立て伏せも腕振りや肩の張りなどに有効ですので、行ってみてください。
④体調管理
練習後の筋肉の回復には、バランスのよい食事がいちばんです。しかし同じ筋力で同じ運動をするなら体重は軽い方が楽ですね。週末にいくらがんばっても、平日にカロリーを摂りすぎては台無しです。平日にあまり練習ができない人は、食事(摂取カロリー)にも気をつけましょう。走る続ける時間や距離が伸びれば、徐々に身体が絞れてきます。レースに向け、体調とモチベーションを上げていきたいですね。
第3回(8月)夏場の練習を工夫しよう
まだまだ毎日暑い日が続いています。今回は暑い時期のトレーニングについてアドバイスします。
①走る時間を工夫しよう
走るスタミナは走ることで養成されます。ただしこの時期のトレーニングには暑さを避けた時間帯選びが大切です。気温が高いだけでも身体にはかなりの負担となりますので、朝夕の比較的涼しい時間帯に走りましょう。
②走る場所を工夫しよう
走る場所選びも重要です。できたら木陰がある公園内のコースが良いですね。夏休みの休暇を利用して旅行される方も多いことでしょう。夏休みがまだこれからの人は涼しい田舎に帰省したらプチ合宿気分で、朝と夕方の1日2度練習なんていうのも気分転換になると思います。
③トレーニング時間を調整しよう
時間の目安は1時間程度。体調や気候の良いときには、2時間程度を目標に走ってみましょう。決して無理をしないこと。どの程度余裕があるか確認しながら走りましょう。
④走る以外のトレーニングを取り入れよう
山歩きなども取り入れてみましょう。こういたクロカン練習は、実業団や大学生も取り入れる練習メニューです。山歩きトレーニングは筋力トレーニングになるうえ、長時間かかるので持久力の養成にも効果的です。
⑤暑い時期のランニングの注意
もっとも注意すべきことは脱水と熱中症です。まず無理をしないこと。発汗量も多いので早めの給水を心がけてください。水分とミネラルを補給できるスポーツドリンクがおススメです。次のようなアイテムを活用し、できるだけ身体への負担を減らす工夫をしましょう。
・キャップ:首元への直射日光は体温上昇を促し、体力を消耗します。直射日光を避けるために活用できます。
・ウエア:快適に運動するため、メッシュ地など通気性の良い素材のウエアを選びましょう。
・ウエストポーチ:途中でドリンクを買うための小銭を入れておきます。河川敷コースなら、給水ボトル付きのウエストポーチが便利です。
・紫外線対策:女性のみならず男性も、サンプロテクションとスキンケアは大事です!
⑥マラソン大会にエントリーしよう
フルマラソン本番前に、短い距離の大会を経験しておきましょう。秋のマラソン大会のエントリーは夏前から始まっています。情報誌やインターネットで検索し、目標の大会の2カ月前に10km、1カ月前にハーフマラソンの大会を目安に実際のレースを経験しておきましょう。
夏場は秋のフルマラソン完走を目指した基礎作りの時期です。週末を活用し、「時間帯・コース・給水」に注意して無理せず走りましょう。
第2回 動きづくりと週末トレーニング
皆さん、ウエアの準備は万端ですか?
今回は動き続けることに慣れるトレーニングの紹介です。
秋のフルマラソン完走を目指すためには基礎作りが大切ですが、夏本番となれば、ランニングには厳しい季節。いきなりがんばりすぎても疲れや故障(痛み)で長続きしません。まずは動き続ける習慣を身につけましょう。
①歩くことからはじめよう
トップクラスのランナーは2時間ちょっとでゴールするフルマラソンですが、市民ランナーの場合、速い人でも3時間前後かかります。まして初心者ランナーとなると、少なくとも4~5時間は走り(動き)続けなければなりません。まずは歩くことから始めましょう。通勤の往復や職場でのちょっとした移動も、交通機関を使わず歩くことで基礎体力が向上します。エレベーターのかわりに階段を使ったり、駅からの帰り道も少し速めのペースで歩いたりすることもトレーニングになります。
②練習コースを作ろう
週末しか走れない人も多いと思います。まずは近所でランニングコースを探してみましょう。できれば複数のコースを見つけておくことをお勧めします。公園周回、河川サイクリングロード、町内1周など違ったコースがあると飽きません。
1周2kmくらいの周回コースであれば、体調に合わせて時間や距離が調整できます。また適当なところまで電車で行き、走って(歩いて)帰ってくるのもいいと思います。ちなみに私は着替えを背負い、飲み会の会場まで走ったこともありました。
③ペースを身につけよう
フルマラソンを5時間で走るとすると、ペースは1kmあたり7分です。100mに換算すると42秒ですから、かなりゆっくりしたペースになります。まずは1時間を目安に走ってみましょう。途中で歩いても構いません。こうして動き続けることで、最終的には3時間程度は走り続けられるようにしたいものです(7分/kmで約25km)。
ただし夏場は思っているよりも身体に負荷がかかるもの。第1回で紹介した心拍計は練習強度を把握するために有効です。まずは最大心拍数(220-年齢)の 60%を目安に設定しましょう。
④練習日記をつけよう
ランニングの記録を残しましょう。練習コース、体調、天気、練習内容(時間、距離、強度など)を記録しておけば、今後の練習の参考になります。走行時間や距離が伸びれば励みにもなります。下記のURLは、走った距離を測定できるサイトです。新しい練習コースを開拓するのも楽しいですよ。
ジョギングシミュレーター http://42.195km.net/jogsim/
キョリ測 http://www.mapion.co.jp/route/
⑤ランニング前後は十分にケアをしよう
ランニング前後のケアは、長く走り続けるために欠かせません。走りはじめはストレッチをかねてゆっくりスタートすることを心がけましょう。ランニング後は、ひざ、足首など負荷のかかった部位をクールダウンするアイシングを習慣にしましょう。
走れない日でもストレッチや補強を行うことで次の練習につながります。
暑さが徐々に厳しくなってきます。身体と対話しながら秋に向けて基礎を固めましょう。
第1回 ランニングを楽しくしてくれるアイテム
昔は運動していたのに最近めっきり運動しなくなったなあ、という方は多いのではないでしょうか。それでも運動不足解消やダイエット、メタボリックの改善など、何か目的があって走っている人もいるでしょう。そうした初心者ランナーの皆さん、「フルマラソン完走」を目標にしてみませんか? 秋のマラソンシーズンまでまだ半年あります。今から取り組めば十分に間に合います。
そのためには継続して走ること。仕事や家庭との兼ね合いがありますから、自分の生活スタイルに無理なくランニングを組み込むことが大切です。まずは走りやすい曜日や時間帯を考えてみましょう。週1回ランでもまったくかまいません。
さて、第1回目はランニングを楽しくしてくれるアイテムの紹介です。フル完走のためには必要なものばかりです。
●シューズ
ランニングにとって最も重要なアイテム。ランニング中、着地の瞬間には体重の約3倍の負荷が足にかかるといわれています。快適に、そして安全に走るためには、スニーカーで間に合わせたりせず、自分の足にあったシューズを購入してください。
しかし最適なサイズは、案外自分でもわからないものです。目当てのシューズを見つけたら、必ず試し履きをしてください。サイズだけでなく、足型を測定したり、適切なシューズタイプを判定できたりする測定器を備えたショップもありますので、活用してみましょう。
●ウエア
快適に走るためにはウエアも重要です。とくにこれから暑くなるので、汗対策は必須。綿のシャツではすぐに汗でびっしょり、肌にまとわりついてとても不快です。吸汗性や速乾性に優れた機能性シャツなら汗も気にならず、ランニングに集中できます。そのほか、筋肉のサポート機能付きのシャツやタイツなどもありますので、腕の振りやひざ、股関節の動きに不安がある人は試してみてください。こうした機能だけでなく、色やデザインもモチベーションアップにつながります。おもいきりかっこいいウエアを選んでみましょう。
●ランニングウォッチ
走った時間や距離を記録して練習状況を把握すれば、次のランニングの励みにもなります。最近では心拍計(ハートレイトモニター)やGPS機能付きの時計もあります。心拍はトレーニングの強度やそのときの体調によって変化するので、練習メニューや自分の走力を客観的に評価する目安となります。GPSなら距離を正確に測定できるので、いろいろなコースを走ってみるのも楽しいかもしれません。
●便利なアイテム
季節によって暑さ(日焼け)や寒さ対策が必要です。キャップ、グローブ、アームカバーなどを利用しましょう。
梅雨の季節がやってきました。じめじめするうっとうしい時期、ランニングアイテムは強力なサポーターです。テンションを上げてくれるものを選んで、秋のフルマラソンを目指しましょう。