道廣茂樹さん(54歳)
2001年MRC入会
走歴:27年
フルマラソンベスト:2時間36分11秒
26歳の秋(当時体重80kg:現在66kg)、職場の旅行でシドニー湾(オーストラリア)を訪れる機会がありました。昼間に見学したオペラハウスや湾からの景色があまりにもきれいで、夕方の空き時間にホテルから散策ウオーキング&ジョギングしたのが、走り始めたきっかけです。今でも出張や旅行の際はシューズを持参し、30分あれば走りに出かけてしまいます。
大切なことは「楽しむこと」そして「成果発表の場をつくること」
ランニングを続けていく上で一番大切なことは楽しむことです。景色や季節を楽しむ、気にせずご飯を美味しくいただいた上ダイエットもできる、自己ベストを更新するetc・・・。なんでもいいと思います。「楽しむこととその先の目標」があれば、走ることへのモチベーションがアップし自然にランニングを続けることができるようになります。楽しみながら、年に1~2回、成果を発表する場(フルマラソン大会出場)を作って、目標に向かった準備を行う。これは私のマラソントレーニングでもあります。
練習(ランニング)は常に自然体で
私自身がランニングを続けられた理由は3つ。「大会に申し込んで成果発表の場を作ったこと」「できなかったこと(記録や走れる距離)が、ランニングを続けることでクリアできたこと」「目標達成や完走を一緒に喜んでくれ、お互いを認め合えるラン友と多く出会えたこと」。これに尽きると思っています。
そして練習は、「自然体で無理をしない」ことを心がけています。仕事や家庭が忙しくなれば、練習量も落ちるし、大会参加も少なくなります。ただし、忙しいからとランニングをあきらめるのではなく、「どこだったら時間を確保できるのか?」「どんなランニングだったら続けられるのか?」と、その時に合ったランニングを考えるようにしています。ちなみに、現在は職場が遠く片道の通勤時間が2時間近くかかる上、勤務オフィスも日々異なるため、通勤や帰宅ランもできません。そこで週1~2度を目標に、仕事帰りにスポーツクラブで30分ほどランニングすること。週末も住まいの大阪から親の介護の為、実家のある岡山に帰省することが多く、時間を作るのが難しいですが1時間は時間を確保しランニングを行なうようにしています。
現在は、月間トータルで走行距離が100km前後の為、ジョギングを超えるポイントになるトレーニングは行っていません。練習量が少ない中で無理な負荷をかけると、経験上故障に繋がるためです。こんな状況の時は焦っても仕方ないので、体力維持に努めておく。それくらい気持ちに余裕を持つ事も大切だと思います。
【フルマラソンに向けたトレーニング】量×質×こだわり
少し前になりますが、「北海道マラソン」に向けた私のトレーニングを紹介させていただきます。自己ベストは2時間36分11秒(当時体重58kg)ですが、仕事や生活環境、年齢から考えてそのタイムを目指すのは無謀です。目標タイムを3時間10分に設定し、6月からトレーニングを開始しました。
(1)自宅から10kmほど離れた場所まで車で移動。月2回程、日陰が多く涼しい林道で往復26kmの坂道持久走を行い、脚づくりを実施しました。もちろん急にこんな練習をすると怪我をします。走りこみ時期以前も月200~250km程度の距離を走っておくことがポイントです。そして、LSDではなく途中でペースを変える場所をつくること。上り下りそれぞれ5km程度、ややきついペースで持久走的に追い込んで走ります。
(2)8月入ると週1回のペース走を2回ほど実施(日陰になる片道1.5kmコースを7往復)。マラソンペースから30“~45”/kmくらい落としてペースで良いので、たんなるジョギングではなく一定ペースで押していくトレーニングです。比較的速いペースでの着地摩擦に足を慣れさせておくと、豆の予備にもなります。また、30km以降の落ち込みを防ぐ、最終段階の脚づくりにもつながっていきます。
これらのトレーングを行なうのは仕事がやすみの週末です。土曜日に(1)か(2)を、翌日曜の60~90分ジョグとセットで実施しました。平日は週3回程度、7kmのjogでつなぐというパターンです。月間走行距離は250~300kmでした。
合わせて、練習で大切にしていることが2つあります。1つは「終了後の余裕度」(翌日体がだるい!はやりすぎです)。「次の日にも気持ちよく60分程度のジョギングが出来る」余裕度を残す事が故障予備にも繋がり大切です。2つ目が「強度の高い練習後の入念なケア」。私は、ランのあとは時間が許せば、スポーツクラブに直行して補強やストレッチ、水風呂などでケアをするようにしています。特に、お風呂と水風呂の交互浴は、疲れ抜きになるのでお勧めです。
みなさんも、ぜひ自分の体と対話をしながらトレーニングを積みあげていってください。自分で決めた成果発表の場(大会)で最高のパフォーマンスを発揮できると思います。