ランニングをいつまでも続けていくコツ vol.3
藤崎彩子さん(46歳)
走歴:26年
フルマラソンベスト:2時間51分46秒
私は競技をやっていたわけではありませんが、もともと走ることが好きでした。
仕事で疲れたとき、何かに悩んだときなど、走ればなんとなく前向きになれたことが走り続けている要因だと思います。
サブスリーを目指していた頃は月間500kmを走っていましたが、結婚や出産を経験し、40歳を超えてからは細く長く走り続けたいと思うようになりました。今は平均で月間300kmほど。ラン歴は25年を超え、改めて自分のランニングスタイルを振り返ってみました。
スキマ時間で走れるコースをつくる
基本となるのは走る時間の確保だと思います。そのためには短い時間でも走れるコースをつくりましょう。
家の周辺で、道が広く自動車の往来が少ないところ、夜間に走るなら外灯のあるところなど、いくつかコースを設定します。
私の場合、10分から20分のスキマ時間で走れるコース、30分かけて走るコース、1時間ほどかけて走るロングコースを設定しました。
短い時間で走るコースを周回コースにしておけば、「もうちょっと走れそう」というときに自分で調整できます。
私は、子供が幼かったころでもスキマ時間を使ってコツコツと短い距離で継続していました。この習慣を作ったおかげで子供から手が離れた今でも仕事やその他の活動で忙しいときでもスキマ時間のランニングが出来ています。
反面、最近は疲れたと感じたときには無理をせず思い切って休む日も作っています。
無理をすることがケガや故障につながることもあり、年齢を重ねて無理をしない方が良いこともわかってきました。
体重の管理も大切にしています。太らないようにすることももちろんですが、痩せすぎてしまうと疲れやすくなるので、基本的には3度の食事をきちんととることを大事にしています。
食事の中身はバランス重視。「一汁三菜」1食の中で野菜、肉または魚、豆類、ごはん類、などがバランスよく賄えるようにしています。
3度の食事の内容がどこかに比重が高すぎたり低すぎたりしないように、などそれほど難しくない事を毎日続けるようにしています。
走ったらストレッチ
日々の練習の後には必ずストレッチをしています。走り終わった直後は簡単なストレッチを5分ほど行います。
このちょっとのストレッチが故障をなくしたと言っても過言ではありません。
日々忙しい中で走っていると、走り終わった後にストレッチなどせずについつい次の行動に移してしまいがちですが、このたった5分を大事にすることで翌日の脚が違います。
さらにお風呂上がりにきちんとしたストレッチや体幹トレーニングを行う日もあります(毎日できないときもあるので週3日ほど)。
若い頃から身体が硬く、そのせいでケガもしやすかったので、数年前からバレエを習い始めました。バレエの中でヨガやピラティスなども教えていただくのですが、深い呼吸とともに身体を動かすと身体がきちんと伸びる感覚がわかるのと同時に体幹も使いやすくなり、身体のバランス感覚もよくなり気持ちよくのびのびと走れるようになりました。
「ちょっとバランスがおかしいな」、「違和感があるな」と感じたときには練習量を減らしてストレッチや体幹トレーニング(ヨガのようなもの)を自宅で行うようにしています。身体の使い方がわかったおかげでこの2~3年は故障もなく走れています。
小さな目標を立て、練習記録をつける
ランニングは1人でできる半面、三日坊主になりがちです。
長続きのコツは目標をたてること。例えば「5kmの大会で完走しよう」などクリアできそうな小さな目標です。
そして日々の練習で何km走ったのかを手帳などに記録していくと、自分の頑張りが目に見えるのでさらにやる気が増してきます。
もしダイエットを目的として行うのであれば、いきなり効果を求めるのはNGです。まずは5分でも走る習慣を身につけてそれを継続してみましょう。慣れてくると10分、20分と走る時間を伸ばしたくなってきます。すると次第に効果が表れてくるものです。最初は、季節を感じながらのんびりと気持ちよいと思えるスピードで走ってみましょう。一緒に走る人がいるなら、おしゃべりできるくらいのスピードがベストです。
レースを目指すときの練習/3カ月前からのペース走で調子を確認する
仕事、学校や地域の役員、子供の習い事などに忙しいため、30kmを超える超ロング走は行いません。基本は、日々のJOGです。
経験からJOGがきちんとできていると次第にペースも上がってくることがわかります。
レース3カ月前からはペース走を行います。距離は20kmほど。これは2週に1度は必ず行うようにしています。
ペース走は走り終えたときに余裕を残すこともポイント。練習で全力を出してしまうと疲労が残って練習ができなくなることもあるので、いつも余力を確認することを最大の目的にしています。
レース2週間前までこうした練習を行い、1週間前からはジョグを30分程度に落としていきます。
レース前に完全に休む事はしません。一度4日ほど完全休養をした事がありましたが、身体が緩み過ぎてしまい、本番で身体がうまく動かなかった経験があるので軽く走った方が良いと思うようになりました。
仲間の頑張りがモチベーション維持につながる
子供たちが保育園に通っていた9年前。マラソンブームも重なって「走ってみたい」という保護者の声をちらほら聞くようになり、ランニングクラブを作ろうということになりました。
PTA総会で声をかけたところ20名ほど集まり、今でも月に2回、みんなで走っています。
走り始めた頃は1km走ることも大変だった仲間も今や全員フルマラソンを完走できるほどになり、中にはサブ3.5が達成できた仲間もいます。
仲間が頑張れば、自分も走ろうというモチベーションアップにつながりますし、一緒に大会などに参加するとさらに楽しみは広がります。私自身、このメンバーが走り続けてくれていることが、継続の原動力のひとつとなっていることは間違いありません。
実はこの仲間と共にマラソン大会も開催しています。「自分の住んでいる地域を元気にしたい」、「地域の方々にもランニングを楽しんでもらいたい」と、この仲間中心で市民団体を作り、大会開催を実現しました。
「天狗のこみちマラソンin南足柄(大雄山最乗寺)」という大会です。昨年11月に第2回大会を開催しました。第3回大会は2019年6月に開催予定です。会場となる大雄山最乗寺の美しいあじさいを見ながら走って頂けると思います。そしてさらにパワーアップした大会にしていこうと地元の方々と話し合いを重ねながらすでに準備を進めています。多くのランナーに楽しんで頂ける大会になれば嬉しいです。