岡田昭宏さん(43歳)
2014年MRC入会
走歴:26年
フルマラソンベスト:2時間43分51秒
初マラソンはほろ苦い思い出
私は、高校・大学と陸上競技の長距離種目をしていました。社会人となってからは、1年間くらい全く走らない日々を送っていましたが、職場の先輩から「マラソンを一緒に走ってみないか?」と誘われたことがきっかけで再び走り始めることになりました。
初マラソンは17年前の青島太平洋マラソン(宮崎市)で、陸上競技の長距離経験があったので「マラソンくらい簡単に走れる」と、高をくくってほとんど練習もせずに初マラソンに挑んでしまいました。しかし、マラソンはそんなに生易しいものではありませんでした。ハーフでは順調に走れていたのですが、後半はペースが極端に落ちてしまい、残り10kmは走ることもままならず、歩くのがやっとの状態で、ゴールに辿りつきました。初マラソンは感動のゴールどころか、歩いてゴールするという惨めでほろ苦い思い出となりました。
初マラソンの惨めでほろ苦い思い出から、走ることに取り組む姿勢や考え方がかわりました。感動的なゴールや納得いくタイムで走ることへの達成感を味わうには、それなりの練習をしておかないといけないとひしひしと感じました。
今思えば、初マラソンの大失敗があったから、現在に至るまで長くランニングライフを続けているのだと思います。
初マラソンの撃沈レース以降、数年のブランクはありましたが2回目のマラソンに向けて継続的な練習と規則正しい生活を心がけて、2回目のマラソンでサブ3を達成することができました。2回目のマラソン以降、現在まで13年連続でサブ3を維持しています。
普段のトレーニング
普段の練習は、10km~15kmのジョギングペースのランニングが中心です。
週に1~2回は完全に休養をするようにして、月間で250km~300kmの距離を走っていますが、夏場の暑い時期や仕事の繁忙期は、月間150kmを下回ることもあります。
サブ3ランナーにしては月間走行距離が少ない方だとよく言われますし、自分でも自覚しています。
走行距離を延ばしすぎると、故障するリスクが高まることと、走ることへの強迫観念やストレスが高まると考えています。また、仕事や家庭との両立でこれ以上練習時間を確保することも難しいこともあり、現在の走行距離で長年推移しているのが現状です。
長年のランニングライフで、心がけていること
- 土台をしっかりつくること
マラソンは住宅の基礎と同じで、土台がしっかり固まっていない状況で積み上げても崩れてしまう(故障してしまう)と感じています。マラソンの土台とは「体調管理」と「普段のジョグ」だと思っています。「継続は力なり」を念頭に置いて、体調不良や故障等で練習が途切れないように、毎日の地道な積み重ねを心がけています。また、「普段のジョグ」はランニングの基本中の基本であり、スローなペースで良いから正しいフォームを意識してしっかりと走り込むことによって、土台が作られると思っています。
- メリハリを大切にすること
普段はジョグ中心の練習なのですが、週に1回~2回はポイント練習を入れています。ポイント練習の主な内容は15km前後のビルドアップ走や傾斜のある坂道を利用したロング走です。ポイント練習では後半を追い込むようにして、8割くらいの力を出し切るように走ります。ポイント練習以外は、リラックスした状態で、スローなペースのジョグをする日もあれば、完全に休養を入れる日もあります。ポイント練習は気持ちを高めて心と体を追い込み、ポイント練習以外の日は心と体を緩ませてリフレッシュするように心がけて走ることへのストレスを溜めないようにしています。また、一生懸命頑張る月(マラソンシーズン)と少し手を抜く月(夏場やマラソンシーズン終了後)というふうに年間を通じてのメリハリも意識しています。
レース前は、「テーパリング」と「ピーキング」を強く意識
「テーパリング」はレースの10日くらい前から、練習の量と質を徐々に減らし、最低限の体力や走力を維持して疲労を溜めないようにしています。
一方、「ピーキング」はレース本番にベストな調子で臨めるように、コンディションを徐々に上げていき、レース当日にピークが来るように調整しています。
「テーパリング」と「ピーキング」の相互関係(バランス)を考えて、ほどよい緊張感をもちつつも平常心を保ち、心と体の両方をコントロールして、ベストパフォーマンスできることが理想だと思っています。
私自身ランニングをする傍ら、地元の市民マラソン大会の大会運営に携わっており、ランニングを通じて地域を元気にする取り組みにも力を注いでいます。
また、ミズノランニングクラブへ入会し、ペースアドバイザーとして、全国各地の様々な大会に参加する経験やランニングクリニックを通じて市民ランナーとふれあう絶好のチャンスを与えてもらっています。
全国各地の大会を間近に見て、走って、五感を通じて感じることがたくさんありますし、参加者から生の意見を聞くこともできます。そういった貴重な意見や経験を大会運営にも活かしていき、ランニングが一人でも多くの人に愛されるスポーツとなるようにしていきたいと思います。